原田くみこ
  • Author:原田くみこ
  • (財)日本切花協会 カットフラワーアドバイザー
    ヨーロピアンフラワーデザイン連盟 1級登録講師
    エディブルフラワーコーディネーター
    えこっくるハーブクラブ会員
    池坊 皆伝取得
    広山流師範免許取得
    パーティー&ブライダルコーディネーター
    アートフラワー、フレッシュフラワー、プリザーブトフラワーを学ぶ。
    生協委員会フラワー・ハーブ登録講師。
    各種講演会、学校行事でのフラワーディスプレイで活躍。
    フラワーサロン主宰。
    江東教室、成城教室。
    作品のオーダーはいつでも承ります。
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フラワー作品を中心にいろいろな写真も載せます。アートフラワーの 注文もどうぞ! 生協委員会フラワー講師・各種講演会・学校行事のディスプレイ等で活躍。 フラワーサロン主宰。江東教室、成城教室。
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アリソン・アトリー「時の旅人」におけるハーブとその効能
1年間、ハーブを勉強してきたまとめとして、イギリスの児童文学小説におけるハーブの抜粋をもとに
少し、まとめてみました。
イギリスは今も昔もハーブが とても多く使われています。


アリソン・アトリー「時の旅人」におけるハーブとその効能

イギリスの児童文学の中には、多くのハーブが用いられ、日常的にその活用が
されてきたことが伺われます。
その中で、今回は、アリソン・アトリーの「時の旅人」というティーンエイジャー向けの小説に焦点を当て、その物語の中で どのようなハーブがいかにして活用されてきたかを探ってみたいと思います。

まず、この小説を読み解くために、その大まかな物語の流れと時代背景を説明します。

主人公、ペネロピーは、ロンドンに住む少女です。
体が弱く、暗く雪の多いロンドンでは 彼女の体に良くないということで、母方のおばの家、ダービシャーのサッカーズ農園に預けられます。
姉のアリソン、弟のイアンも一緒です。
そこは農園であるものの、建物は古い館で多くの部屋があります。
(お母さんは、ダービシャーの地主の娘だったのです。今は、売れない論文を書く夫とともにあまり豊かではないようです。)
そこで、ペネロピーの妄想、イマジネーションは大きく膨らみ、その古い館で、16世紀のイギリスへタイムトラベルするというものです。
このタイムトラベルというのが、彼女の頭の中でのタイムトラベルということがわかります。
16世紀の世界へ行って、現実の世の中に帰ってくると、時計の針は1秒も動いていないというのですから。
この話は、主人公が生きた現在に並行し、16世紀イギリスという過去が存在します。
2つの世界が となりあわせに同時進行で時が過ぎていくというものです。
その2つの世界に断絶はなく物語は進行していきます。

さて、ペネロピーがタイムトラベルする16世紀のイギリスの時代背景について少し述べてみたいと思います。
ペネロピーは、バビントンや 彼の弟のフランシスが活躍する世界に行きます。
このアントニー・バビントンは実在の人物です。
エリザベス1世女王によって、サッカーズ近くのウイングフィールドに幽閉されたスコットランドの女王メアリーを アントニー・バビントンらが地下にトンネルを掘って、脱出させようとします。
バビントンは、エリザベス1世女王の暗殺を企て、それが女王の謀臣ウオルシンガムの手によって発覚し、反逆罪で絞首刑となり 遺体は八つ裂きの刑に処されたそうです。
いわゆる王位継承権をめぐる愛憎劇なのですがその一端にスコットランド女王メアリーも加担していたいうことで、エリザベス1世は 女王メアリーに手を下さざるを得なくなりメアリー女王はロンドン塔で、断頭台の露と消えたということです。
裏にはエリザベス1世の母親はアン・ブーリンで正妻でない身分の低い女性のため、彼女は庶子であり、女王メアリーの母は、マリー・ドギースで、王位継承権としては、女王メアリーの方が上だったということがあげられると思います。
この一連の歴史的事実を「バビントンの陰謀」といいます。


では、さっそく物語の中のハーブに入っていきたいと思います。


(p.108)わたしは、しばらく 敷居の上に立って乾いたバラとスミレの匂いのする薬草を床にまいてある美しい部屋を見つめた。

(p.204)床にまいてある匂い草を取り替える。ローズマリーにバルサム、そして川のほとりから刈り取ってきたビロードのような足ざわりの いぐさのすがすがしい匂いもまじっている。

(p.221)「月桂樹とローズマリーの葉を集めて客間の床にまくだ。
それに、馬丁用のナツシロギクも、暑い日のあの人たちの足の臭いことときたらどうしようもないからね。
床にならしてまくんだよ。」

*ストローイング
ストロー(Strew)は「まき散らす」の意。
衛生設備が悪く、コレラなどの疫病が蔓延した16,17世紀には殺菌、抗菌力をもつハーブであるローズマリー、ミント、ワームウッドなどを床にまいて、その予防に使う習慣があった。
その習慣をストローイングという。
ハーブを床にまくというと、踏めばハーブの香りが立ちあがり、優雅な感じさえするが、科学薬品のない時代には病気から自分を守る必要不可欠なものであった。
エリザベス1世は寝室にまくハーブとしてメドウスイートやマジョラムを好んだという逸話がある。
ジェラードは、「メドウスイートは他のいかなるストローイングに使うハーブよりもすぐれている。
家の中や寝室、玄関ホール、宴会室などの床にまけばその香りが心を明るくし、五感を高める。」と記している。


(p.30)その部屋は、ラベンダーとわたしの知らない薬草がまじりあった匂いがする美しい部屋だった。
その香しい匂いは、この家全体を包み込んでいる香気だった。

(p.169)寝まきは、何年も長持ちに入っていた匂いとラベンダーのいいにおいがした。

(p.257)シーツのラベンダーの匂いを嗅いだとたんに、わたしは気分がよくなっていた。

*ラベンダー
地中海沿岸原産のシソ科の多年常緑灌木。
茎、花、葉の全草にピリっとしたすがすがしい芳香に富む。
イングリッシュラベンダーのその独特な香気は酢酸リナリルが主成分で、鎮静効果がある。
12世紀から15世紀の中世英語では、洗濯女をlavandersと呼び、lavenderはlaunder, lavatoriesという洗濯場所を意味していた。
殺虫、防虫効果があるため、科学的な防虫剤、芳香剤のなかった時代、エリザベス朝時代に書かれた家事の本にはラベンダーは何度も登場する。
当時の主婦にとってはラベンダーのない生活は、ありえないほど、利用範囲の広いハーブだった。


(p.32)天井から下がっている薬草の束の匂いがただよっていた。

(p.277)のどを痛めたときに飲む、どろどろの葉や、ガチョウ油の軟膏、
ヨモギギク、ナツシロギク、カミツレ、ヨモギを干して束ねたものがある。
刺激性の強い匂いがたちこめていて、ドアを開けるときには、わたしは息をつめた。
この部屋にはバビントンの奥方が干した薬草や軟膏を貯蔵するのに使っていた部屋で 奥方は「養生室」とよんでいた。

*フィーバーフュー (和名 ナツシロギク)
フィーバーフューという名は、解熱効果にすぐれていることから、Febrifuga(熱を下げる)が訛ったもの。
ジェラードは、飲み物として、また、手首に結びつければ おこりを防ぐと書いている。
アスピリンのように頭痛を治すことでは定評があり、家庭では古くからよく使われた。
現在でも、片頭痛に悩む人が、このハーブを買い占めてしまうほど よく効くらしい。
そのため、ロンドンの薬屋が独特の売り声で、よく売り歩いたハーブである。
薬臭い、苦みのある葉には、ミツバチも近寄らないほどだが、殺虫剤に利用しても効果がすぐれている。
「冬中、このハーブが手に入らないときのために、夏の間にシロップを作っておくことです。」と、カルペッパーも書いているように、夏に作ったシロップは冬、風邪をひいたときの咳どめに用いられた。
イギリスでは、今でも、咳止めシロップがこのハーブの葉と蜂蜜で作られている。


*カモミール(和名 かみつれ=加密列)
数あるハーブの中でも、「薬草」として古くから最もよく知られたハーブのひとつである。
古代エジプト人は、その薬効を尊び、ことに悪寒に効く力を信じ、神に祀った。
全草が甘いリンゴの香りを持つことから、古代ギリシャ人は「大地のリンゴ」(カマイメロン)と名付けた。
「植え込んだカモミールは踏めば踏むほど役に立つ」と、フォルスタッフがこのハーブの性質を書き残している。
「逆境におけるエネルギー」というのが、このハーブの花ことばである。
このハーブの生命力の強さを利用して、今でも、バッキンガム宮殿やキューガーデンでは、カモミールをクッションのように植えつけたベンチを見ることができる。
この甘い香りには虫よけの効果も秘められていることから、床に撒き散らしてストローイングハーブとしても好まれた。

*マグワート (和名 よもぎ)
11世紀にサクソン語で書かれた「ラクマンガ」には、この草が空気中の毒を防ぐ“九つの聖なるハーブ”のひとつとしてあらわれているが、古くから多くの魔法、薬効に結び付けられてきた。
家の中に吊るしておけば、家族を悪魔から防ぐという言い伝えが残っているし、特に聖ジョンの前日(St.Johon’s Eve  6月23日)に積んだマグワートは病気・不幸を防ぐと言って、この草で作った冠を頭に載せてみたりした。
乾燥した葉を1940年ごろのイギリス、コーンウオール地方の労働者たちは、
高価な紅茶の代わりとして飲んでいた。


(p.76)「タマゴの殻は、みんなバビントンの奥方の麻布の洗濯に使うんだよ。
それじゃ、お前はミルク用の薬草を摘んできておくれ。」

「ビール用の薬草は野や生垣からとるけど、ミルク酒用の薬草は、生垣の向こうの薬草園にいかなくてはね。
魚の料理用のウイキョウ、フォルジャムの奥方のお体のためのルリチシャとルー、それからハッカ草を少々、これはバビントンの奥方が枕の香料にお好みになるものだよ。
それから、コンフリーは多めに、シチュー用の薬味、シカ肉のシチューに月桂樹の葉、・・・」
*フェンネル (和名 ウイキョウ)
古代ローマでは、その芳香をもつ種子と若芽を食用として栽培していた。
視力を高める効用が当時から尊重され、プリニーは「蛇は脱皮する時に、この草を食べて、視力を増す。」と書き残している。
古くはフェンネル湯で生まれたばかりの赤子の目を洗う習慣があったのも、その効用のためで、現在でも視力が弱ったり、炎症をおこした場合の洗眼液に利用されているほどである。
イギリスでは魔よけとして、ミッド・サマーデイ、聖ジョンの日、6月24日の前夜、セント・ジョーンズ・ワートなどのハーブとともに束ねて戸口にかける習慣があった。
カルペッパーは「いまだに忘れられていない古き良き習慣は、魚をフェンネルとともに煮ることだ。」と書いている。
あらゆる魚料理にこのハーブが欠かさず用いられた。

*ボリジ(和名 ルリチシャ)
その形からフランスでは「牛の舌」とも呼ばれる。
中世のころには、悲しみや憂鬱をぬぐい去り、勇気と元気を与えてくれるハーブとされ,刺繍の図柄にも使われていた。
聖母マリアの衣を描くのに使用したマドンナブルーという色は、この花色をもとに作られたという。
サラダや砂糖菓子など、料理にも利用できる。

*ルー  (和名 ヘンルーダ)
眼病を治す、薬効にすぐれることで知られ、視力を高める効力があると信じられてきた。
「眼鏡のハーブ」と呼ばれるのはそのせいで、ミルトンの「失楽園」では、マイケルがアダムの目を“アイブライトとルー”で清める一場がある。
そのため、古代ローマでは、彫刻家や画家はルーを大量に食べて視力の衰えを防いだ。
今でも、イタリアではサラダにしてその効力のために食べる。

*ミント  (和名 ハッカ草)
ミントは繁殖力が強く、その種は3500種といわれている。
薬効に富むのはペパーミントで、消化促進、食べ過ぎなどの胃腸の機能調整や鎮静作用に優れるメンソールを多く含んでいる。
殺菌作用にも優れる。
鼻の通りを良くすることから、花粉症対策のアロマオイルとしても定番である。
ミントポリフェノールは、鼻の粘膜の腫れを改善するなどアレルギー症状の緩和に役に立つ。
ミントポリフェノールはペパーミント以外のミントにはほとんど含まれていない。
ミントポロフェノールは水溶性であることが判明しているので、ミントティーとして飲むと効果的である。

*コンフリー
ジェラードも「このハーブで作った膏薬は傷や骨折を治す」と書いている。
葉には、水分、粘液が多く含まれており、ペースト状にして、湿布薬となり、古くからねんざ、打ち身、傷の民間療法として、生活に溶け込んでいた。
白い根もすりつぶして、湿布剤となるが、肺疾患やのどの痛みをやわらげる効用があるので、ハーブティーやミルクと温めて飲むことが多い。


〈まとめ〉
アリソン・アトリー「時の旅人」を読み、16世紀のイギリス、特にチューダー朝とスチュアート王家の時代、医薬品の代わりとしてハーブが生活必需品として重んじられていたことがよくわかりました。
ことに荘園にはハーブガーデンがあり、料理から殺虫、防虫、匂い消し、健康のためと活用されてきました。
今、再び自然回帰し、これらの効能を見直し、生活の中にハーブの知恵を取り入れて健康的な生活をしたいものだと強く思いました。



参考文献
「時の旅人」  アリソン・アトリー 小野章 訳 評論社
「ハーブの事典」北野佐久子           東京堂出版



                           







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この記事に対するコメント

中級のクラスも、もうすぐ終了なんですね~ 早いですねぇ…
お疲れ様でしたi-260
楽しく読ませていただき、とても勉強になりました!
さすが本場イギリス、児童文学の中に、こんなに沢山のハーブが登場するんですね。
歴史が違いますね。
お話にでてきた「ブーリン家の姉妹」 映画が面白いらしく、ちと気になっていました^^

今年は花粉飛散が多いらしいので、ネトルやアイブライトのブレンドサプリを飲んでいます。
これでしのげるといいなと思います。
【2013/02/26 20:39】 URL | maru #- [ 編集]

maruちゃん
ネトルは花粉症にいいみたいですね。
季節の変わり目、ハーブティーの出番です。

「ブーリン家の姉妹」私も見てないんです。
DVDであるかしら。
見たくて気になってます。

また、行事のときにお会いしましょうね。



【2013/02/26 21:06】 URL | 原田くみこ #- [ 編集]

とても勉強になりました(*^_^*)
今までイギリスとハーブ…
なんとなく繋がりは感じていたものの
こんなにも歴史があり
生活に深く根付いているものだとは
知りませんでした(@_@)

化学的な物質に頼らず
こうした自然の効能を生かす事で
私達はより良い暮らしが
出来る気がします(*'-'*)
【2013/02/26 22:44】 URL | MILK #- [ 編集]

MILKさん
そうですね。
科学や医学が発展した現在ですが、弊害もあるはず。
自然のものを無理のない形で体内に取り入れ、長い目で見た健康を手に入れたいものです。
(#^.^#)
【2013/02/27 20:53】 URL | 原田くみこ #- [ 編集]


 レポート、興味深く読みました。さすがの視点ですね~。                     若草物語にも、ヘリオトロープやゼラニウムなど、ハーブを育てる記述があったなと思い出しました。やはりイギリス、いつかはガーデンめぐりをしてみたいものです・・・夢が広がります。  
 妄想のタネを提供してくださり、ありがとうございました(^^)
【2013/03/12 08:37】 URL | うみ #- [ 編集]

うみさん
コメント、ありがとうございます。

ハーブは奥が深いので少しずつ勉強していくのは楽しいですね。
うみさんも、ハーブにお詳しそうですね。

また、情報提供してくださいね。
【2013/03/12 16:26】 URL | 原田くみこ #- [ 編集]


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